2012年05月
2012年05月16日
欧州の政治リスクは続く
「5月6日は今年最大の山場になる」としていましたが、まさにその後の事態は悪い方向に進んでいます。
ギリシャの再選挙が決定し、欧州の政治リスクが混迷を深めています。最新の世論調査では、再選挙を行った場合、第2党の急進左派連合が第1党に躍進する勢いだということです。
そうなれば、ギリシャがEUの緊縮策を受け入れる可能性はなくなり、ユーロ離脱も視野に入ってくることが避けられません。
しかしながら、現時点の世論調査は当てにはならないと思います。5月6日の選挙前の世論調査では、連立与党が過半数を大きく上回る議席を獲得するという結果が出ていたからです。
ユーロから離脱すれば、新通貨ドラクマは暴落し、ギリシャ国民の生活は今とは比べ物にならないほど苦境に追い込まれます。公務員の給与も支払いが止まる可能性が高いのです。
そのことは、ギリシャ国民もよく理解しているはずです。その現実を認識しているからこそ、再選挙までの約1カ月のあいだに、ギリシャ国民がギリギリで良識ある判断ができるよう変わる可能性は残されています。
ギリシャ国民にとって6月の再選挙は、かつてのアルゼンチンやロシアのように厳しい状況に追い込まれるのか否かの最後の選択になるでしょう。
ギリシャ再選挙の前の5月31日には、アイルランドでEUの財政条約への参加の是非を問う国民投票が実施される予定です。参加が否決されるという見通しも出ているため、これもリスク要因のひとつとなりえます。
欧州の政治リスクは、しばらく続きそうです。しかし私は、ギリシャがユーロ離脱となれば、それが欧州の政治リスクの最終章になると考えています。その理由は次回に述べたいと思います。
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ギリシャの再選挙が決定し、欧州の政治リスクが混迷を深めています。最新の世論調査では、再選挙を行った場合、第2党の急進左派連合が第1党に躍進する勢いだということです。
そうなれば、ギリシャがEUの緊縮策を受け入れる可能性はなくなり、ユーロ離脱も視野に入ってくることが避けられません。
しかしながら、現時点の世論調査は当てにはならないと思います。5月6日の選挙前の世論調査では、連立与党が過半数を大きく上回る議席を獲得するという結果が出ていたからです。
ユーロから離脱すれば、新通貨ドラクマは暴落し、ギリシャ国民の生活は今とは比べ物にならないほど苦境に追い込まれます。公務員の給与も支払いが止まる可能性が高いのです。
そのことは、ギリシャ国民もよく理解しているはずです。その現実を認識しているからこそ、再選挙までの約1カ月のあいだに、ギリシャ国民がギリギリで良識ある判断ができるよう変わる可能性は残されています。
ギリシャ国民にとって6月の再選挙は、かつてのアルゼンチンやロシアのように厳しい状況に追い込まれるのか否かの最後の選択になるでしょう。
ギリシャ再選挙の前の5月31日には、アイルランドでEUの財政条約への参加の是非を問う国民投票が実施される予定です。参加が否決されるという見通しも出ているため、これもリスク要因のひとつとなりえます。
欧州の政治リスクは、しばらく続きそうです。しかし私は、ギリシャがユーロ離脱となれば、それが欧州の政治リスクの最終章になると考えています。その理由は次回に述べたいと思います。



